黒毛和牛の発展の元になった牛を生み出した兵庫県
日本の黒毛和牛を語る上で、兵庫県産「但馬牛」を抜きにはできません。
但馬牛は松阪牛や近江牛の素牛として、また全国の有名なブランド牛は但馬牛の血統をいれて品種改良が行われてきました。
※素牛とは…肥育や繁殖のために飼養される前の生後6~12ヵ月の子牛。
平安時代より兵庫県但馬地方では役牛として黒毛和牛が飼われていました。
※役牛とは…耕作や運搬作業使用のために飼われている牛。
明治時代になり牛肉を食べる文化が広まるにつれ、神戸港から出荷される但馬牛の評価が高まります。
これが神戸牛・神戸ビーフの始まりです。
その後、外国種の牛との品種改良が失敗に終わった際、奇跡的に但馬地区に残っていた4頭の純血種の但馬牛から日本の黒毛和牛の元祖となる「田尻号」が誕生します。
全国の黒毛和牛のほぼ100%がこの「田尻号」の子孫であると言われています。
現在でも兵庫県産の但馬牛は他の地域の血統を入れないように管理されています。
【但馬牛】黒毛和牛の元祖
現在のブランド化された日本の黒毛和牛の元祖と言ってもいい「但馬牛」。
兵庫県産の雄牛の精子を使用した血統で、出生地が兵庫県に限定されている正真正銘の兵庫県産ブランド牛です。
平成27年に地理的表示保護制度の一回目の登録産品として「神戸牛」と共に登録されています。
これは全国のブランド牛の登録としては第1号になります。
但馬牛の特徴はなんといっても「サシ」と呼ばれるきれいな霜降り。
美味しさを求めて改良されてきた歴史から味も香りも見た目も一級品のブランド牛肉です。
【神戸牛】世界的ブランド牛肉
前出の但馬牛の最高級品「神戸牛」。
但馬牛の中でも一定の条件を満たした牛だけが神戸牛として流通します。
海外での知名度も抜群で、ハリウッドスターや海外の要人は来日時に神戸牛をリクエストする方も少なくありません。
兵庫県を中心に神戸牛通販専門店も多く存在しています。
【三田牛】神戸牛発祥の地のブランド牛
兵庫県六甲山地の北側に位置する三田市で生産されている「三田牛」
明治時代に神戸牛が人気になった際、最初に美味しいと評判になったのは三田地区で飼われていた但馬牛だったそうです。
長年のノウハウをいかし、また内陸部特有の気候や三田のきれいな水で育てられています。
歩留等級がAかB、肉質等級が2以上、BMS7以上の三田牛は「三田牛廻」として流通します。
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