ブランド鶏肉ってどのような鶏肉?
ブランド鶏肉といえば「名古屋コーチン」「比内地鶏」などの「地鶏」を連想するのではないでしょうか。
しかし市場においてよく見かけるのは「〇〇どり」などの「銘柄鶏」になります。
では「地鶏」と「銘柄鶏」はなにが違うんでしょう。
地鶏の定義・特徴とは
「地鶏」の定義は、日本農林規格(JAS)で決められていて、下記の4つの条件が主なものとなっています。これらの条件を満たした鶏だけが「地鶏」として認められることになります。
※日本食鳥協会HPより
①の条件はまず親鳥が両親又は片親が在来種であること。ここでの在来種とは日本農林規格に記載されている明治時代までに日本に導入され定着した38種類の鶏に限定されます。
②に関しては75日以上飼育することとなっています。平均しても100日以上は飼育期間を設けています。比較として一般的なブロイラーは40~50日で出荷されます。名古屋コーチンは150日飼育することもあるようです。それだけ手間暇がかかるということです。
③平飼いにすることで十分な運動量を確保できます。運動によって肉質が良くなるのです。しかし野原を自由にという飼い方ではなく、室温・湿度、衛生管理された屋内での育成になるため設備投資も大変なものです。
④は十分なスペースを与えることで運動量の増加とともに、ストレスの緩和にもつながり、敷いては肉質の良化にも繋がります。
このように「地鶏」の育成には良質な環境・設備を整えなければならないため、ブランドとしての価値も高まり、価格も高価になるのです。
現在全国で70種類以上の「地鶏」ブランドが生産されています。なかでも
「名古屋コーチン」「比内地鶏」「薩摩地鶏」が日本三大地鶏といわれています。
銘柄鶏の定義・特徴は
「銘柄鶏」とは一般的なブロイラーに特別な飼料を与えたり、飼育方法・環境を工夫したりして、ブロイラーよりも長期間育成したものが一般的な「銘柄鶏」になります。一部在来種の血統が入っている銘柄鶏もあります。
ちなみによく聞くブロイラーとは通称「若どり」といい、品種改良により成長速度を速めた鶏で量産に適しています。
「銘柄鶏」には明確な基準はありません。
ただし育成方法や設備の違いにより付加価値が付き、ブロイラーより少し価格が高くなるのです。
ブランド鶏肉の生産割合はどのくらい
スーパーマーケットなどでは主に「若どり」を見かけることが多いと思います。お肉コーナーの一角に「銘柄鶏」のコーナーが少しあるかなって感じだと思います。「地鶏」を見かけることってほとんどないですよね?(高級な百貨店などはべつですが)
鶏肉の生産割合を見てみましょう。
ブロイラー | 銘柄鶏 | 地鶏 |
70~80% | 30%弱 | およそ1% |
ブロイラー「若どり」が生産量の大方を占めています。銘柄鶏で多くて30%ほど。銘柄鶏でも飼育日数が50日以下だと「若どり」として出荷されます。
そして「地鶏」はわずか1%ほど。
先にも述べましたが「地鶏」の育成には日数とコストがかかります。
「おいしい!」と言われる「地鶏」はこのように希少価値と生産コストにより価格も高くなるのです。
参考までに「地鶏」はブロイラーの2倍以上の値段になります。
鶏肉は国内の消費も伸びてきており、並行してブランド鶏肉の種類・質も向上しています。
好みのブランド鶏肉を見つけるのも良いのではないでしょうか。