優秀な蔓牛の系統、広島県のブランド牛肉・銘柄牛
広島県は江戸時代から蔓牛と呼ばれる和牛の系統牛の造成が行われてきました。
特に現在の庄原市がある比婆郡の系統改良は古くから行われており現在でもその系統が受け継がれています。
現在は神石高原町がある神石群でも系統造成が盛んで、広島県の和牛生産は「比婆系」「神石系」の」系統が元になっています。
蔓牛とは… 主に中国地方で資質・発育・繁殖などで優れた特性をもつように改良された優良な系統の和牛の呼称。
【広島牛】優秀な系統同士の掛け合せ
広島県で生産されている「広島牛」
先に挙げた「比婆系」「神石系」の系統牛を用いて造られた種牛が基礎となっています。
「広島牛」は筋肉の繊維が細かく脂肪分も無駄がない為、きれいで細かいサシが入っているのが特徴です。
しゃぶしゃぶ、すき焼きが合いそうなブランド牛です。
【比婆牛】伝統あるブランド牛
広島県の北東部、庄原市で生産されている「比婆牛」
比婆地区では和牛生産が江戸時代から行われていたと言われており、時代に合わせた系統改良も併せて行われてきました。
過去には全国和牛能力共進会で2度の日本一に輝いています。
2019年には地理的表示(GI)保護制度の第83号として登録されました。
※地理的表示(GI)保護制度とは…地域の伝統に育まれ、生産地の気候・風土・土などによって生み出された味や形、香りなどをもつ農林水産物や食品などの「地域ブランド」を守るための制度
広島県を代表するブランド牛で赤身と脂身のバランスは絶妙です。
【神石牛】広島県の黒毛和牛の礎
広島県東部、神石高原町で生産されている「神石牛」
大正時代に神石高原町にあった広島県種畜場で種雄牛が育成され、そこから神石牛の名は広まっていきました。
一時期ブランド牛としての流通は滞っていました。
さらに広島県産の黒毛和牛を一時期「広島牛」として統一したため「神石牛」の名は消滅します。
しかし日本各地の地域ブランドの増加に伴い後手ながら「神石牛」も復活することになります。
2015年から始まった神石牛振興協議会認証制度もあり流通も増加傾向です。
このような経緯と年間出荷頭数が400頭ほどのため「幻の和牛」と言われることもあります。
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