厳しい基準をクリアした最高級牛肉「仙台牛」
東北で1番の大都市である仙台市。
その都市の名がついた「仙台牛」。しかしながら仙台市のみで生産されているわけではないのです。
主な生産地は宮城県北部の栗原市や登米市周辺。
この地域は稲作も盛んなため、餌となる稲わらの入手も安易なため肉牛生産も盛んになったようです。
仙台市が主たる生産地でないにも関わらず「仙台牛」の名前になったのは仙台市が全国的にも知名度があるため「宮城牛」ではなく、商品名としても定着しやすい「仙台牛」になったと言われています。
「仙台牛」のネット上の口コミ評価は…
※楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのレビューから独自に算出
柔らかくてジューシーな食感と感じている方が多め。
仙台牛はA-5,B-5限定ということもあり、適度な霜降りが柔らかさに繋がっているようです。
半面、脂が苦手な方は辛口の評価もありますね。
調理の際は柔らかさを損なわないよう焼き過ぎないこともポイントです。
厳しい「仙台牛」の定義・基準は
- 黒毛和種であること
- 仙台牛生産登録農家が個体にあった適性管理を行い、宮城県内で肥育された肉牛
- 本協議会が認めた市場並びに共進会等に出品されたもの
- (社)日本食肉格付協会枝肉取引規格が、A5またはB5に評価されたもの。
※仙台牛銘柄推進協議会より
※BMS(牛脂肪交雑基準)霜降りの度合い・細かさなどで12段階で判定
以上の基準を満たした和牛だけが「仙台牛」として出荷されます。
肉質等級が5限定の和牛でこれだけ出荷量があるのは「仙台牛」のみです。
割合としては約2万頭生産される宮城県産牛の内、約3割、およそ6千頭のみとなっています。
肉質等級5に限定しているため「仙台牛」は脂肪と赤身のバランスが良く、口当たりが良くてやわらかく豊かな肉汁が特徴です。
東北有数の和牛生産地・宮城県
宮城県は東北でも有数の和牛生産地です。
これは昭和49年頃「神戸牛」「但馬牛」で有名な兵庫県から導入した、「茂重波号」という種牛の導入で、最高級品質の牛肉を作りだすことに成功し、それをきっかけにして現在の「仙台牛」の基礎が築かれたそうです。
宮城県は肥育農家(子牛を買ってきて出荷まで育てる農家)のみならず、繁殖農家(母牛を飼育し生まれた子牛を販売する農家)も多く、「仙台牛」は生まれも育ちも宮城県という個体がほとんどです。
繁殖農家で10ヵ月ほど育てられた黒毛和種の子牛が、セリ市などで肥育農家に購入されます。
そこから肥育農家が2年ほど手塩にかけて育てるのです。
また宮城県で生まれた子牛の4割ほどは他県の肥育農家に買われ、育てられます。
おとなりの山形県がその割合は多く、山形県の肥育農家に買われた和牛はやがて「米沢牛」や「山形牛」として出荷されるのです。
仙台といえば牛タンですが・・・「仙台牛」タンは?
仙台市いえば「牛タン」が有名ですが、一般的に「仙台牛」のタンを提供するお店はほんの一部です。ほとんどが米国産や豪州産の牛タンを使っています。
牛タンは戦後の食糧難から発展した庶民派メニューであり「仙台牛」とは発展の経緯が全く違います。
高級メニューとして「仙台牛牛タン」を提供しているお店もあるので機会があれば味わってみたいものです。